甘々王子にユウワクされて。


* 。☆ . * . : . + * : ゜+ 。



体育館に近付くと、だんだん活気のある声が聞こえてくる。


スタンドになっている2階に上ると、バスケ部、そして遠いほうの半面でバレー部が部活動をしているのがよく見えた。


ドリブルの音やスキール音が耳に心地いい。



少しどきどきして目を凝らすと、なんだか一人だけやけに目立つバスケ部員が。


彼の長身もその原因の一つだけど、明らかにうまい人がいる。



すいすいと敵役プレイヤーの間をぬって、まだゴールからかなり離れた位置からシュートを放つ。


そのボールもまるでゴールに吸い込まれるようにまっすぐリングを潜りぬけて。



白いTシャツに黒いバスパンを身にまとって、嬉しそうにハイタッチする彼。


教室と違う格好、上げられた前髪。




……しまうまさんだ。


あまりに目立つから……つい、目が離せなくなってしまっていた。



< 32 / 247 >

この作品をシェア

pagetop