甘々王子にユウワクされて。
* 。☆ . * . : . + * : ゜+ 。
体育館に近付くと、だんだん活気のある声が聞こえてくる。
スタンドになっている2階に上ると、バスケ部、そして遠いほうの半面でバレー部が部活動をしているのがよく見えた。
ドリブルの音やスキール音が耳に心地いい。
少しどきどきして目を凝らすと、なんだか一人だけやけに目立つバスケ部員が。
彼の長身もその原因の一つだけど、明らかにうまい人がいる。
すいすいと敵役プレイヤーの間をぬって、まだゴールからかなり離れた位置からシュートを放つ。
そのボールもまるでゴールに吸い込まれるようにまっすぐリングを潜りぬけて。
白いTシャツに黒いバスパンを身にまとって、嬉しそうにハイタッチする彼。
教室と違う格好、上げられた前髪。
……しまうまさんだ。
あまりに目立つから……つい、目が離せなくなってしまっていた。