甘々王子にユウワクされて。
しかも、ちらっと定期を見たときにわかったことだけど、わたしと先輩は電車の方面が同じ。
だからもしタイミングが合えば……一緒に帰ることも可能なんだ。
そのために、早めに帰り支度をして、急いで教室からここまで来たのに。
早くしないと、先輩と会えなくなってしまう。
「結羽ってさ、テスト勉強とかする?」
そんなわたしの気持ちを知ってか知らずか、のんきにローファーにはきかえながら聞いてくる彼。
「そんなドーピングみたいな行為はしませんけど」
なんだろう。もう行ってもいいかな。
いらいらしながら彼を見る。
だけど不意に部活中の姿と重なって、慌てて視線をそらした。
「ドーピングって。結羽真面目っぽいからしそうだったのにー」
「なんですか。わたし急いでるんですけど」
見て分かんないかな?