甘々王子にユウワクされて。
「そっかー。じゃあ俺が初めてかー」
嬉しそうに言って、スクールバッグを肩に引っ掛け直して歩き出す。
わたしも慌てて後を追いかけてローファーを履いた。
彼の案内で着いた、学校近くのハンバーガーショップ。
初来店。
「俺飲み物頼むけど。どうする?」
「え、あ、じゃあ……アイスティーを」
「了解ー。あ、席取っといて」
見回すとほとんどの客はわたしたちと同じ高校生。
どこの席でも、ここのサイドメニューをつまんだりドリンクを飲んだりしながら勉強していた。
ハンバーガーショップなのに、ハンバーガーを食べている人なんて一人もいなくて。
これが普通の高校生のすることなんだ、と2年目にして初めて知った。