甘々王子にユウワクされて。



そしてこちらに歩いてくる彼。



え、なんだろう。


何見てんだよ、って文句言われる?



彼が一歩一歩近づいてくるうちにわたしの心拍数もどんどん上がっていく。




染めたようには見えない茶髪が揺れるたびにきらきらと輝いて、

切れ長の目が、高い位置からわたしをまっすぐに見つめる。



少し恐れながらその目を一瞬見つめ返してみる。


だけどその瞬間、どきりとした。



なんだか彼の目は……とても、憂いでいるような。


泣くのを我慢しているかのように切ない目だった。




「…………ゆう」




そして小さくつぶやかれたその名前は……わたし…………!?


どうしてわたしの名前を知ってるの!?


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