甘々王子にユウワクされて。


そんな彼を少し可愛らしく思って、聞いてみる。



「……楓さんとは、どんな関係ですか」


「え……楓と篠田さん?」



……ほら、また、"楓"なんて呼び捨てにして。



「……違います。楓さんと、木林くんの関係です。
 先輩なのに名前呼びですし」



でも、確かにおかしいな。


普通ならそんなことより、篠田先輩についてなにかしら話すべきだろうに。


だけど、木林くんとの関係のほうが気になってしまった。




そして、どうしてだろうというような顔をして答えた木林くん。



「あいつは……俺の姉だよ。あいつの名前は木林楓」



え、とつい声が漏れた。



「お姉さん……!?」


「うん。歳子なの」


< 66 / 247 >

この作品をシェア

pagetop