甘々王子にユウワクされて。
* 。☆ . * . : . + * : ゜+ 。
久しぶりの図書室。
からからからというドアを開ける音が心地いい。
木林くんみたいに乱雑に開けられた音はあまり好まない。
部活が始まってだいぶ時間が経ってしまったからか、もう図書室にあまり人はいなかった。
もうすぐある文化祭に展示するイラストテーマは"学校"。
そのためにみんな、校内を巡って描いているのだろう。
そんな中一人だけいた人。
そう言えば彼は、イラスト背景は"図書室"に設定して、たった1点しか出さない代わりに大作を作っていた。
「……篠田先輩」
図書室の長机に画用紙を広げて、鉛筆もいろんな種類を散らばせて描いていた彼。
柔らかいタッチで彼から見える図書室を描いていく、篠田先輩。
そんな先輩にそっと声をかけた。