甘々王子にユウワクされて。
な、なんなの一体。
名前呼んでおいて、誰って。
しかも、ミ、ミニサイズって!
わたしだって好きで成長期迎えてないわけじゃないのに!
「侑心くーん? どうしたのその子知り合いー?」
「え、なんか地味じゃないー? 侑心くんに似合わないんだけど」
「前髪厚いしメガネもなんかださいし」
一人で怒りに震えていると、わたしの席のほうから聞こえてくる複数の猫なで声。
それとわたしへの悪口もセットで。
どうして意味もなく敵視されないといけないの、絶対この人のせいだ。
「あーごめんごめん。何の話だっけ?」
彼も笑いながら即座にまわれ右して、彼女たちのほうへもどっていく。
わたしはひとりぽつんと取り残されたまま。