甘々王子にユウワクされて。
☆Who is you?
* 。☆ . * . : . + * : ゜+ 。
今日の部活で、屋上の風景を描くことは決めていた。
いつも練習している演劇部が唯一いない水曜日。
風にポニーテールをなびかせる子を描く予定だった。
だけど、その屋上に来て、さぁ入ろうとドアに手をかけた途端。
中から一組の男女の話声が聞こえてきた。
「……何の用? 楓」
「つれないなぁあっきー。昔は楓ちゃんって呼んでたのに」
「…………何の用か聞いてんだけど」
明らかに不機嫌な男の子の声と、楽しげな女の子の声。
その声にわたしは、聞きおぼえがあった。
あっきーと呼ばれた男の子は、ほんの数十分前まで教室でわたしと話していた声と似ている。
……高槻くんの声。
そしてもう一人は、名前からも確信を持っていた。
篠田先輩の彼女さんの、楓さんの声だ。