甘々王子にユウワクされて。


* 。☆ . * . : . + * : ゜+ 。



「おはよう!」



次の日の朝。


いつも通りわたしに挨拶してくれた木林くん。



「……っ」



だけどわたしはなんだか、挨拶を返せなくて。


読んでいた小説の世界に没頭しているふりをした。



せっかく、勉強会で少し親しくなって、普通に会話できるようになっていたのに。




そう歯がゆく思っていると、教室の至る所から聞こえてくる声。



「ねぇ、むかつかない? 佐久間さん」


「ほんと。何様のつもりで侑心くんを無視してるの?」



……話しても話さなくても文句言われるなんて、理不尽だ。


教室で完璧に孤立するわたし。


< 88 / 247 >

この作品をシェア

pagetop