甘々王子にユウワクされて。
でも、と木林くんが口を開いたとき。
担任の先生が入ってきて、HRを始めようとしたので、仕方なさそうに黙った。
左の席は空席のまま。
「高槻はまた遅刻? まぁどうせ校内のどこかに入るんだろうけど……あのサボり癖はなんとかならないのかな」
まだ若い女性の近森先生が呆れたように出席簿に何か記入する。
……高槻くんがこんなに教室からよくいなくなるのも、何か理由があるのかな。
「さてみんな。今日のロングHRだけど。
7月中旬にある文化祭について決めるよ」
出席簿をぱたんと閉じて、みんなに呼び掛ける近森先生。
文化部のわたしにとってはすでに知らされている話だったけれど、帰宅部の人や運動部の人は知らなかったみたいで。
もうそんな時期か、なんて騒がしくなった。