甘々王子にユウワクされて。
「クラスの出し物とかあるから、協力してね。
さっそくだけど、男女一人ずつ実行委員を決めないといけないんだ。誰かやってくれないかな? ちょっと大変だけど……」
へらりと笑いながら、下手下手に出る彼女。
教室は騒がしいまま。
実行委員か……。
去年の子たちが大変そうだったから、そりゃみんなやりたくないよね。
わたしも、部活でも作品出品があるからあまり忙しいのはつらいし……。
そう思っていたけれど。
「近森ちゃーん。実行委員には、佐久間さんを推薦しまーす」
教室の後方から響いた、女の子の声。
続いて聞こえてくる、くすくすという笑い声。
クラスのリーダー的なロングヘアーの坂場さんの発言だった。
名前を挙げられたわたしは驚いてついそちらを見る。