how to love
部屋で2人きり。
『なんで引っ越してきたの?』
『私が住んでたところ、すごく田舎だったでしょ?だから東京にいい病院があるって紹介されて』
『そうなんだ。同じクラスでよかったよ』
『私も助かった』
ガチャッ
玄関が開く音がする。
『伊織だ』
楓は私の部屋から出た。
「おっ、こんにちは」
いきなり現れた楓に驚きつつ、あいさつをする伊織。
「お前あいさつするほどえらかったっけ?」
「え?」
伊織が顔を上げる。
「久しぶり、伊織」
「楓?!え、なんでいるの?!なにしてんの?!」
久しぶりに伊織の大きい声聞いた。
「俺、流莉亜と同じクラスなんだ」
「まじで?!」
今、絶賛反抗期中な伊織は家にいるときほとんど部屋から出てこない。
リビングで一緒にご飯を食べることも少ない。
「俺、このマンションの1階に住んでるからいつでもこいよ」
「おう」
伊織は自分の部屋に入っていった。
『あいつ反抗期?』
『そうなんだよね』
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