how to love
朝ごはんを食べ、薬を飲もうと自分の部屋に戻る。
昨日のようにまた戻してしまうのではという恐怖からなかなか薬を口に入れられないでいた。
そんな時、部屋のドアが開いた。
『そんなに病気悪いの?』
伊織だ。
『そうみたい』
『昨日見たんだ。姉ちゃんが戻してるの』
小さい頃、必死になって覚えてくれた手話は今ではとても流暢で。
『薬の副作用らしくて』
『俺、正直そんなに悪いと思ってなくて。ごめん』
ごめんだけは口では言わなかった。
『大丈夫だよ。部活遅れちゃわない?』
『行ってくる』
急いで部屋を出ていく伊織。
伊織はサッカー部のキャプテンをしているから遅れるわけにはいかないのだ。
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