恋とは停電した世界のようです
メレンゲに沈み出す左足
*
「えー!それって、すっごい紳士的じゃん!!」
月曜日。
授業が終わったあと、
わたしは二日前の出来事を親友の心美(ここみ)に話していた。
学校から歩いて10分もかからない距離にあるマックは
今日も、それなりの多さで混雑している。
「外国の人って、女性に対して優しいって聞くけど…私たちみたいな子供でも優しくしてくれるんだねぇ」
ほぅ、と感心したように息を零す心美に
「まぁ確かに、あの面倒くさい兄を、よく介抱してくれて助かったよ」と頷いたら
「そうじゃなくて、」と静かに訂正されてしまった。