ずっと奏でるよ〜音を風にのせて〜
「ゆずるー、じゃあね〜!」


「バイバーイ!」


さて、このあとはヴァイオリン教室に行かないとだけどまだ時間はけっこうあるし...
私は、とぼとぼ歩いてるといつの間にか桜の木のそばに来ていた。


「わぁ綺麗....1曲...弾こうかな」


私はヴァイオリンケースから弓とヴァイオリンをだしチューニングをして弾き始めた。四季「春」


〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜♪


「ふぅ…」


弾き終わり、一息ため息をついた。


ーパチパチパチパチ…


「え?」


拍手の音が聞こえて振り向くとそこには南颯太が立っていた。


「柚琉は、ヴァイオリン弾けるんだな。綺麗な音だな」


私は呆然として、我にかえり言った。


「颯太…いつからそこにいたの?」


私は桜のそばで立ったまま聞いた。


「最初から」


「最初から?」


最初からっていつからだ?私は少しびっくりしながら話を聞いた。


「そう、下校するのにお前だけこっちに行ったからついていったらヴァイオリン弾いてて...で、今に至る」


うそ、全然気づかなかった。


「そうなんだ。全然気づかなかった」


「そりゃな、すご〜く気持ちよさそうに弾いてたからな。だからもう1曲よろしく」


「お断りします」


私は笑顔で断った。ヴァイオリンをケースに直し帰る用意をした。

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