【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「入って」
言われるがまま、部屋にお邪魔する。
その部屋は蓮央のものとは違い、暖色系の色で統一されていた。
カーテンはポップな柄で、京也の趣味ではなさそう。
「沙奈の趣味全開だろ?散らかってて悪いな」
京也は苦笑すると、私を座らせてキッチンへ立った。
「もう夜になるけど、なんか食う?」
「……いい」
「だよな、んな気分じゃねぇよな」
冷蔵庫を開けてうーんと考え込んだ京也は、何かを取り出して私の前に置いた。
二等辺三角形みたいな形で、クリームが塗りたくられている。
「ケーキ……?」
「あぁ。昨日作ってみたんだけど、食いきれなくて。甘いもの苦手?」
「ううん、好き、だけど…今は……」
「いいから。何か食わないと死ぬぞ」
ズイッとフォークを差し出され、仕方なく乗っかっている苺に突き刺した。
口に入れると、甘酸っぱい味が広がる。
この時期の苺にしては甘い……。