【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「沙奈、お前も食う?」
立っている沙奈に、京也が声をかける。
彼女は少し京也を見つめた後、フイッと顔を背けて歩いていった。
「……何だ、あいつ」
不服そうな京也。
ケーキを持ったその手が引込みがつかなそうだ。
…仕方ない……。
「京也、それちょうだい。食べる」
「え?でも、さすがに2個は……。無理すんな」
「これ美味しいから、食べたいの」
京也が作ったらしいこのケーキは、本当に美味しい。
そこらへんのお店で売っているものよりレベルが高いと思う。
食べたい……わけではないけど、このままだと京也が不憫だ。
「……なら、食ってもらおうかな」
照れ笑いをした京也は、私にケーキを渡す。
あっという間にそれを食べ終わり、フォークを置いた。
それを見た京也が目を丸くする。
「なんか、意外。咲誇って結構食うんだな」
「引いた?」
「ちげーよ。普通に食うのに、そんな細いから」
「別に細くないって」
「そーんな細ぇ体して何言ってんだ」
だから、細くないって。
あ、でも、蓮央と会う前は2日に1食くらいのペースだったな……。
今思えば、私、よく生きてたなぁ。