【続】Am I What Colors?ｰ現姫の戦いｰ

「分かったから離れろ」


「ちぇー、つれないなぁっ！」


「……諒真、頼んだぞ」



無理やり引きはがして諒真に引き渡す。


諒真に任せると、何故か沙奈が大人しくなる。


きっと怖がっているのだろう。


ポケットからスマホを取り出して電話帳を開く。


『咲誇』と表示されたところをタップする指が、直前で止まる。


……電話してもいいのだろうか。


出てくれなかったらどうする？


怒って口も聞いてくれなかったら？


拒絶されたら……？


そう考えると怖くてどうしても指が止まってしまう。



「蓮央…電話しねぇのかよ？」



諒真が聞いてくる。


んなこと、言われても……



「…怖いんだよ」


「でも、会って話がしたいんだろ？」



……諒真にしては鋭いな。



「お前がフラフラしてると、この女につけ込まれるぞ」



この女、とは、沙奈のことか？


それはありえない。


多分、俺が沙奈になびくことはない。


咲誇とタイプが違いすぎる。



「……まぁ、どうするかは、蓮央の自由だけどな」



付け加えるように言い、諒真はそれ以上は何も言わなかった。