【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「咲誇!!!」
彼女の唇が俺に触れる直前で肩を掴んで止め、無理やり引きはがす。
「蓮央……?どうしたの?」
「咲誇、しっかりしろ!!目を覚ませ!!」
肩を揺さぶり、頬を叩く。
「いだっ…!?……あれ?」
痛さに顔をしかめた咲誇は、直後、目をぱっちりと開いた。
虚ろな目は、元通りになっている。
「咲誇、俺は誰だ?」
「京、也……」
「良かった…………」
どうやら正気に戻ったらしい。
安心から、咲誇を抱きしめる。
数回瞬きした咲誇は、大きな瞳いっぱいに涙をため、泣きはじめた。
「ぅっ…蓮央ぉっ…………っく……」
「泣け、咲誇。たくさん泣いていいから」
「っうあぁぁぁっ……!!」
泣きじゃくる咲誇を落ち着かせるように、背中をさする。
俺の胸に顔をうずめて泣いているせいで、着ているTシャツがびしょびしょだ。
でも、咲誇の涙なら、それすらも愛おしい。