【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー




「咲誇!!!」



彼女の唇が俺に触れる直前で肩を掴んで止め、無理やり引きはがす。



「蓮央……?どうしたの?」


「咲誇、しっかりしろ!!目を覚ませ!!」



肩を揺さぶり、頬を叩く。



「いだっ…!?……あれ?」



痛さに顔をしかめた咲誇は、直後、目をぱっちりと開いた。


虚ろな目は、元通りになっている。



「咲誇、俺は誰だ?」


「京、也……」


「良かった…………」



どうやら正気に戻ったらしい。


安心から、咲誇を抱きしめる。


数回瞬きした咲誇は、大きな瞳いっぱいに涙をため、泣きはじめた。



「ぅっ…蓮央ぉっ…………っく……」


「泣け、咲誇。たくさん泣いていいから」


「っうあぁぁぁっ……!!」



泣きじゃくる咲誇を落ち着かせるように、背中をさする。


俺の胸に顔をうずめて泣いているせいで、着ているTシャツがびしょびしょだ。


でも、咲誇の涙なら、それすらも愛おしい。



< 218 / 447 >

この作品をシェア

pagetop