【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー



でも……。



「そう、都合良くいかねぇんだよ……」



『悲しませることをしなければいい』?


俺だってしたくねぇよ。


でも、どうすればいいか分かんなくて、つい傷付けてしまう。


どうしろって言うんだ。


黙っていると、新はビールを一口飲んで、口を開いた。



「…蓮央さんは、『自分に』都合がいい展開を求めすぎなんです」


「……?」



自分に都合がいい展開?


どういうことだ?



「咲ちゃんを泣かせたくないのは、『自分のせいで泣いた』のが嫌だから。
傷付けたくないのは、『自分のせいで傷付ける』のが嫌だから。ですよね?」



確かに、そうだ。


こくりと頷くと、新は薄く笑った。



「ほら。自分が悪者になるのを恐れてる。
泣かせたくないとか傷付けたくないとか、そんなのただの言い訳。
本当は、自分に都合良くないことを避けてるんでしょう?」



新が言った言葉が、スルリと胸に入ってきて。


何故か……自分の今の思いに、ぴったりとはまった。


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