【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー




「そんな奴に咲ちゃんを任せておけない。今からその相手のところに行って奪ってくるけど……いいですよね?」



笑みを浮かべながら、新は言う。


いいですよね?


は?


何言ってんの?


マジ、何言ってんの?この男。



「良くねぇに決まってんだろ……?」



咲誇を守るのは、俺の役目だぞ。



「誰にも、アイツは渡さねぇ。泣かせようが傷つけようが……咲誇が望む限り、俺はアイツの傍にいたい」


「……それでこそ、僕が選んだ『南蓮央』ですね」



新は、さっきまでとは違う……優しい笑みで、俺を見ていた。



「早く行ってきてください。咲ちゃんのところに」


「いやでも、京也の家知らねぇんだけど」


「あなたのお仲間に頼んだらどうですか?」



あ、そうか。


歩がいた。



「……では、話は済んだので。これで失礼します」



新は立ち上がり、扉に向かってあるいていく。


俺も慌てて立ち上がって、その背中を呼び止めた。



「新!」



足を止めた新は、顔だけで振り向く。



「……ありがとな」


「いえ。咲ちゃんの幸せのためですから」



少し切なげに呟いた新は、倉庫から出て行った。



< 240 / 447 >

この作品をシェア

pagetop