【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「そんな奴に咲ちゃんを任せておけない。今からその相手のところに行って奪ってくるけど……いいですよね?」
笑みを浮かべながら、新は言う。
いいですよね?
は?
何言ってんの?
マジ、何言ってんの?この男。
「良くねぇに決まってんだろ……?」
咲誇を守るのは、俺の役目だぞ。
「誰にも、アイツは渡さねぇ。泣かせようが傷つけようが……咲誇が望む限り、俺はアイツの傍にいたい」
「……それでこそ、僕が選んだ『南蓮央』ですね」
新は、さっきまでとは違う……優しい笑みで、俺を見ていた。
「早く行ってきてください。咲ちゃんのところに」
「いやでも、京也の家知らねぇんだけど」
「あなたのお仲間に頼んだらどうですか?」
あ、そうか。
歩がいた。
「……では、話は済んだので。これで失礼します」
新は立ち上がり、扉に向かってあるいていく。
俺も慌てて立ち上がって、その背中を呼び止めた。
「新!」
足を止めた新は、顔だけで振り向く。
「……ありがとな」
「いえ。咲ちゃんの幸せのためですから」
少し切なげに呟いた新は、倉庫から出て行った。