【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
くるんくるんに巻かれた自慢の黒髪。
重いほどつけられたつけまつげに、口が動かないくらい厚く塗られた口紅。
立つのもままらないほど高いヒール。
嫌なのに、無理やり開けられたピアス。
そして極めつけは……やけに露出の高い、フリッフリのドレス。
いわゆる、『キャバ嬢』の格好だ。
「……ねぇ、何でこんな格好しなきゃいけないの?」
「そりゃあ、潜入捜査するからに決まってんだろ」
平然とした様子で北苑は言う。
そう。
なんと、私が『潜入者』に選ばれてしまった。
やりたくもない『潜入者』の役。
そして最悪なことに、キャバ嬢の格好までさせられてしまっている。
……こんな状況で、赤面なんかしていられない。
「何でキャバ嬢?普通で良くない?」
「分かってないなぁ、姫さんは。ヤクザの本部に出入りすんだから、夜の仕事をしてる女の格好をするのは普通だろ?」
「アンタの普通と一緒にしないでよ……」
こんな服、着たことないし。
胸が思いっきり見えてるじゃん。
最悪……てか、恥ずかしい。