【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「おい、咲誇」
いきなり北苑に名前を呼ばれて、そちらに顔を向けた。
北苑は無表情で、私に何かを差し出している。
「何それ」
「いいから受け取れ」
こわごわ受け取ってみると、それは少し大きなブローチだった。
大きなルビーが中心で煌めいていて、高級品だということはわかる。
分かるけれども。
「これ、何?くれるの?」
「あぁ。俺が作った、小型マイクとカメラ搭載のブローチだ」
「マイクとカメラっ!?」
「本部の構造を知りたいんだろ?なら、大人しくそれを胸につけろ。方向を間違うなよ」
北苑の指示通り、ブローチを胸に付ける。
ドレスに合っていて、とても綺麗だ。
「これ…どこに繋がってるの?」
「あの赤髪の男のパソコン。全部録音・録画されてるぞ。ちなみに、耳のピアスは無線になってる。髪で隠してるから見えないはずだ」
「すごい…」
こんなの作れるなんて、北苑ってもしや凄い人?
人は見かけによらないな。
「何だよ、見かけによらないって」
「え!?嘘、口に出してた?」
「思いっきりな」
げ。
まずいまずい、口を閉じねば。