【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
開かれたドアの向こうに見えたのは、大きな大きな・・・
ん??
「何ここ。ビル??」
「あぁ。ここが、若沢組の本部だ」
小声で言い、私の手を引く北苑。
でも、私はポカンとしてその高い高いビルを見上げるばかりだ。
都心にあるような、大きくて煌びやかなビル。
高層ビルだ。
一見、普通の会社っぽいけど……ここが本当に本部なの?
少し疑いながら歩いていたら、左右から怖いお兄さんがたが寄ってきた。
「よぅ海利。いい女連れてるじゃん」
「本当だな、こんないい女初めて見た」
ニタニタしながら私の肩や腰を撫でてくる怖いお兄さん……いや、キモイ変態たち。
内心ぶん殴りたくなりながらも、吐き気に耐えて営業スマイルで対応する。
「お兄さんがた、こんばんは〜♡」
北苑には、『とにかく軽くて色気のある女でいろ』と言われたから、それを意識する。
しっかり♡マークもつけてやった。
早く離れろこの変態野郎ども。
……そんな私の願いも虚しく、それが男たちを刺激してしまったらしい。