【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー




──チンッ



ベルの音が響いて、エレベーターがやってきた。


やっと来た。


はぁ…。


もう、さっさと終わらせよう。


そんな思いから、素早くエレベーターの中に入り込もうとすると。



「…………」



見えないように、無言で北苑に制された。


北苑?


何かあったのかと、顔を上げると。



「海利じゃん。何してーんの?」



アクセをジャラジャラつけた茶髪のチャラ男が、エレベーターの中に立っていた。


ビジュアルは諒真さんの茶髪バージョンって感じだけど……何か違う。


何が違うんだろ……。


茶髪チャラ男はポケットに手を突っ込みながら北苑に笑いかけている。



「昨日も来てたよな。最近そんな仕事あったっけ?」


「……今日は少し、届け物があるんで」


「届け物ねぇ。…それって、その女?」



茶髪の目が、私に向けられた。


男を観察していたので、バッチリと目が合ってしまった。


冷たくて、何か闇が混じった黒い瞳。


全てを見透かされているようで、ゾクッと寒気が走った。



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