【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「そういやさ、諒真の所在は掴めた?」
唐突に出た、諒真さんの名前。
このチャラ男……諒真さんを、知ってるの?
私の疑問が届くはずもなく、北苑とチャラ男は会話を続ける。
「正確には、まだ……」
「そう。あーあ、早く見つかんねぇかな」
ダルそうに頭の後ろで手を組み、チャラ男はエレベーターから出てくる。
それと入れ替わりに、私達はエレベーターに乗った。
素早く20階のボタンを押した海利は、閉まるドアを手で押さえて会釈する。
「それじゃ、啓明(ヒロアキ)さん、俺はこれで」
「じゃあな海利。……サクラも、な」
ドアが閉まるその瞬間に聞こえてきた私の偽名は……何故か、微かに笑いを含んでいた。