【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「大丈夫です、海利さん…。この格好だから、寒くって」
ニコリと北苑に笑みを向ける。
「そうか…」
「それより、さっきの方は?お知り合いですか?」
声のトーンを上げることも忘れない。
なんかアニメ声みたいで嫌だ。
「さっきのは、沢口啓明っていう人だ。俺の上司っつーか……まぁ、そんな感じの」
沢口啓明……?
沢口……。
どっかで聞いたことがあるような、ないような…?
まぁいっか。
そんなに気にすることでもないよね。
「上司ということは、結構重要なお仕事をなさっているのですね」
あー、敬語とか慣れない。
元『父親』の電話での会話を真似てるけど、使い方合ってるのかな。
「まぁ、な…。お偉いさんってとこだ」
北苑が少し言葉を濁したところで、チンッ、とエレベーターのベルが鳴った。