【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「……あ、先輩が目的地についた」
「えっ!」
歩が呟いたので、画面を覗き込んだ。
とある家の赤い屋根が上から映っていて、諒真さんらしき銀髪の男の頭も映っている。
その家のインターホンを押したあと、裏へまわり、備え付けの小屋に近づいてその扉を蹴り飛ばした。
バァァンッ!!という物凄い音がして、諒真さんはその中に入っていった。
「諒真さん……やること派手すぎじゃない?」
「あんなにキレるなんて、相当なことがあったんだろ」
いや、あの……小屋の中から『ボキッ』とか『ゔぁぁ』とか聞こえてきてますけど。
これ、殺人事件に発展するかもですけど。
まぁ……諒真さんも、そこらへんは考えてくれるよね。
「つか、先輩遅ぇな。あの人ならとっくに出てきてるはずなのに…」
歩は少し考えた後、接続していたスマホとは別のスマホを取り出して耳に当てた。
「……真浩か?俺だけど、蓮央さんどこだ?………あぁ、至急王欄に来てくれ。頼んだ」
電話を切り、手早くパソコンをしまった歩は立ち上がった。
「歩?どこかに行くの?」
「アンタはここにいていい」
「え?」
「すぐに戻る」
立ち上がろうとする私を制し、歩は早足で去っていった。