【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
数十分くらい、待っただろうか。
──ガチャッ……
茶髪チャラ男が、なにか書類を抱えて出てきた。
そして私とは反対方向に歩いていく。
……よし、ここからが本番だ。
沢口啓明の影が完全に消えてから、沢口啓明が入った部屋の前に立つ。
『沢口啓明様』と書かれたプレートがある。
そっとドアノブを握ると……やっぱり、鍵はかかってる。
しかし、そういうときのための合鍵だ。
ポーチを探ってみると、北苑の言った通り大量の鍵が入っている。
大量といっても、ケースに分けて入れられているので探すのは楽だった。
『沢口啓明自室』と書かれた鍵を手にとって、鍵穴に差し込む。
ガチャンという手応えを感じ、鍵を抜いてドアノブを回した。
──ガチャッ……