【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「サクラ、何してんの?」
背後から低い声が響いて、ビクッと体が跳ねた。
手から写真たてが落ちて、カシャンと音を立てる。
怖くて、振り返れない。
「なぁ、サクラってば」
声が、近づいてくる。
真後ろに立たれる気配を感じて、心を決めた。
振り向かないと。
ホラー映画の主人公並に震えながら、首を回す。
少し伏せた目に移るのは、エレベーターで見たあの服。
見たくない。
見たくない。
そう思っているのに、目線が勝手に上に上がっていく。
嫌だ、見たくない。
誰か止めてっ……!!
瞼も閉じれず、自分を抑えることもできず。
「サクラ」
私の偽名を呼ぶその声の主の目と、私の目が、合ってしまった。