【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「……答えないんだ。んじゃいいわ、後で吐かせる」
つまらなそうに私を眺めた沢口啓明は、私の耳元で視線を止めた。
そして、口角を歪ませる。
「……面白いもんみっけ」
ブローチをその場に置き、私の耳たぶに触れてくる。
ひんやりとした感覚に、ビクリと体が震えた。
「っや……」
「あ…?あぁごめん、耳弱いんだな、へぇ」
クスクス笑う沢口啓明。
そして片手だけでピアスを取り外し、また眺めた。
「こっちは……ただのイヤホンみたいなやつか。これで通信してたんだー」
おかしそうに笑い、沢口啓明は拘束してある私の両腕を頭の上に持ち上げた。
「やるじゃんお前。誰の差金?」
「……誰が、言うか」
恐怖を抑え、睨みつける。
ここで言ったら計画が台無し。
何もかも、めちゃくちゃになってしまう。