【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「気、強いな。アンタみたいな女、嫌いじゃない」
「…どうでもいいから、離して」
「ダメ。絶対に逃がさないから」
妖しく笑う沢口啓明。
そして、私の手を握ったまま立ち上がった。
引っ張られるようにして、私も立ち上がる。
沢口啓明は自分のデスクのパソコンを大きなテーブルに移動させ、ソファーに座った。
カチカチとマウスをクリックしながら、なにやら操作をしている。
「さぁて、どうするかな……?」
数回人差し指で机を叩いたあと、沢口啓明はブローチとピアスをテーブルに置いた。
「はい、答えて。誰の命令でやってる?」
「………」
「ここに何しにきた?」
「………」
「なんで答えない?」
「………」
何を言われても、私は沢口啓明を睨むだけ。
返事はしない。