【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「北ぞ……」
「よぉ、海利。さっきぶりだな」
私の声を遮り、沢口啓明は話し出す。
「…お前の連れてきたサクラとかいう女、とんだ悪女だったぞ。見ろ、これ」
ブローチとピアスを足で北苑の方へ蹴飛ばす沢口啓明。
それを見た北苑が、ゆっくりと目線を上げた。
殴られたみたいで、瞼からも血が出ている。
「…これがどうかしたんですか?啓明さん」
「ん?何かな、そっくりだなーって思って。
……お前が作ってた、対睡嵐用の小型カメラに」
え・・・?
沢口啓明の言葉に、耳を疑う。
対睡嵐用って、何?
これ、北苑が作った、若沢組潜入用のアイテムでしょ?
「北、苑……今の話、どういうこと…?」
「…すまない」
尋ねても、北苑は謝るだけ。
何で謝るの?
ねぇ、何で?
謝らないでよ……