【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「まだ試作品段階だもんな、これ。でもまぁ4ヶ月でよくここまで仕上げたもんだ」
関心したように言いながらも鼻で笑い、私の腕を掴んだまま歩き出す沢口啓明。
そしてブローチとピアスの前に立ち、北苑を見下ろした。
「……けど残念だな。せっかくの発明、ぶっ壊すことになっちまった」
ぶっ壊す……!?
ハッとして沢口啓明を見上げると、彼は既に片足を上げていて。
それを、勢いよく振りおろした。
「だ、ダメっ…!!」
ブローチとピアスに手を伸ばそうとした時には、もう遅かった。
──バキッ……!!
なにか硬いものが粉砕する音が、部屋に響く。
沢口啓明が下ろした足を上げると、そこに現れたのは粉々になった赤い宝石。
中に入っていたらしい精密機械までもが砕け散っていて、もはや原型がない。