【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
壊されてしまった。
唯一の、連絡手段が。
これじゃあ、助けを呼べない……
「…ルビーの代わりに赤いガラスを使うのはやめた方がいいぞ。すぐにバレる」
淡々と感想を言う沢口啓明。
北苑は、力なくうなだれている。
彼の金髪を掴み、沢口啓明は海利に話しかけた。
「なんか俺に言うことないの?海利」
「…そいつには、手を出さないで下さい」
「は?何、この女に惚れたわけ?」
「違う…」
「なら、何でそんなこと言うんだ?」
「…………」
黙り込む海利。
海利にとって、沢口啓明は『上司』のような存在。
口答えなんて許されないはずなのに、何で私を庇うの?