【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
答えない北苑に、さすがの沢口啓明もイラついたようで。
「ふざけんなよ、海利」
北苑の髪をより一層強く掴んで、睨んでいる。
「お前まで黙るわけ?隠し事なんかして…許されると思ってんの?」
「……」
北苑は何も言わない。
ただ、無言で沢口啓明を見ているだけ。
「何を隠してる?そこまでして、何でこの女を守りたいんだ?」
「……言えない。啓明さん相手でも、言えません」
「珍しく強気なんだな、海利。……でも、渋ってる場合じゃねぇよ?」
不気味に笑った沢口啓明は、いきなり私の手を離した。
かと思えば、今度は首を掴んでくる。
「っ……!!?」
そのまま手に力が込められ、首が締めあげられた。
喉が、潰されていく。
「言わないと、この女死ぬけど」
「やめっ…!それだけは、やめてください!!」
「なら早く言え。この女を、助けたいんだろ?」
息ができなくて苦しくてもがいても、沢口啓明の手は私の首から離れない。
むしろ、締め付ける力は強くなっていく。
「っ、あ゙……!」
霞む視界の中、北苑の悔しそうな顔が見える。
何かと葛藤しているような表情。
「早くしねぇとマジで死ぬけど」
無情な、沢口啓明の声。
なんか、頭がぼんやりする……
だんだんと暗くなっていく視界のなか、死を覚悟して目を閉じると。