【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー



「言う……」



低くか細く、北苑の声が聞こえた。


その途端、掴まれていた首が自由になって酸素が肺に入り込んでくる。



「ゲホッ、ゲホッ!!はぁっ……!」



立つ力もなく、床に座り込んでひたすら息を吸う。


いくら吸っても足りなくて、過呼吸気味になっていく。



「ようやく言う気になったか、海利」



弾んだ声。


沢口啓明の、声だ。


私はまだハッキリとしない意識をどうにか取り戻し、目の前にいる北苑を見た。


彼が何を隠しているのかは分からないけれど、言ってはいけないような気がする。


言わないで、北苑。


こんな奴に、弱みを握らせてはダメ……!!



「北、苑……だめ…」


「お前は黙ってろ。…海利、さっさと言え」



沢口啓明が私を鋭く睨み、北苑にまた言った。


< 330 / 447 >

この作品をシェア

pagetop