【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
chapter9 戦闘
□沢口啓明
広いオフィスに、私と沢口啓明の二人きり。
気まずい沈黙が流れる。
「……睡嵐姫」
最初に口を開いたのは、沢口啓明。
「若木諒真はどこにいる。教えろ」
「……言うわけないでしょ」
誰が、こんな奴に言うかっての。
教えたらすぐにあの創庫を襲うだろうし。
ていうか……
「その『睡嵐姫』っていうのやめて」
「俺がお前をどう呼ぼうと俺の勝手だろ」
「ふーん。じゃあ私もアンタのこと『最低変態ドS野郎』って呼ぶから」
「お前とお喋りしてる暇なんてねぇんだよ」
「じゃあ教えてよ、諒真さんとの関係」
「その前に諒真の居場所を言え」
互いに一歩も譲らない状態。
コイツ、しつこい……。
「何でそんなに諒真さんにこだわるの?」
「アイツがここの跡取りだからだ」
「何それ。アンタも、諒真さんに無理やりここを継がせようとしてるわけ?」
「…………」
答えなくなった沢口啓明。
無視をするなと、そいつの方を見ると。