【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「っ…!!?」
ぐるんと視界が反転し、見えるのは茶色い何か。
ふわふわ揺れるその柔らかいものは…髪?
何故か、沢口啓明が私の上に乗っかっている。
………え?
何が起こったのか理解できず、目を瞬かせていると。
「少し大人しくしててもらうだけだから」
沢口啓明の声とともに、ガチャンという金属の音が聞こえた。
右手首に、ひんやりとした冷たい感触。
何だろうと見ると、銀色でリング状の鉄が、私の手首につけてあった。
これはどう見ても……手錠っ!!?
「……え?は、ちょっと!?何すんの!!」
「暴れられると面倒だから、そうしてろ」
「っざけんな!離せっ!!」
外そうと引っ張るけれど、もう片方の輪が大きなテーブルの足にくくりつけられているせいで動けない。
私の上に跨っている沢口啓明を睨み付けて、その胸ぐらを左手で掴む。
「早く、これを、外せっ!!」
「やなこった」
フンッと鼻で笑い、沢口啓明は私の手を払い除けて掴む。