【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「……いい加減うるせぇんだよ、お前」
不機嫌そうな顔で私のそばに歩いてきた、沢口啓明。
その手にはスマホが握られている。
「うるさいならこれを外してよ!」
「あと数十分我慢してりゃあ外してやるよ」
あと数十分?
てことは……もうすぐ、その変態がくるの?
やった!!
これで自由の身だ!
なんて、喜んでいたら。
「…何ニヤついてんだ、気持ち悪」
沢口啓明の最悪な一言で、現実に引き戻された。
ホントむかつく。
殺してやりたいくらいムカつく。
「何とでも言えば?最低変態ドS野郎」
「その呼び名やめろ。俺の品性が欠ける」
「アンタに品性なんてあったんだ、ふーん」
「てめぇ……一発シメるぞ」
「やれるもんならやってみなよ」
バチバチと火花を散らす私たち。
それを遮ったのは、ドアを叩くうるさい音だった。