【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
──ドンドンドンッ!!
「啓明さん!!」
ドアの向こうから沢口啓明を呼ぶ、子分らしき男の声。
「あぁ…?」
その声で我に返った沢口啓明は、チッと舌打ちをしてドアの方へ歩いていく。
ガチャッと音がして、ドアが開いたらしい。
私の寝ているソファーからは死角になっていて、入口が見えない。
不機嫌そうな、沢口啓明の声が聞こえる。
「何だよ……って、聖夜さん!」
『聖夜さん』…?
てことは、やっと変態男が来たんだ!!
これで手錠が外される!
「よう啓明!早かったろ?」
「ホント早いっすね。もう少しかかるかと思ってたんすけど」
「睡嵐姫を早く見たくてな、急いだわ」
案外低い、変態男の声。
電話の時より少し低い。
「睡嵐姫はどこだ?」
「あっちにいます。そこのソファー」
「そうか、邪魔するぞ」
変態男の足音が、こっちに近づいてくる。
と同時に部屋のドアがしまったらしく、バタンと音がした。