【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
死角から顔を出したのは、1人の男。
圭太のような黒い髪を少し長めに伸ばしていて、一見ホストみたい。
歳は多分、結構上。
25歳くらいかな。
顔立ちはとても良くて、例えで言うと、歩に圭太を足して2で割った感じ。
涼しげなその顔は、世間の女子からは高評価だと思う。
……変態でロリコンなのを除けば。
「へぇ、これが睡嵐姫か…。噂どおりだな」
どんな噂だよ、バカじゃないの。
舐め回すように見てくる変態男を、無表情で眺める。
その視線に気づいてクスリと笑った変態男は、屈めていた上半身を起こして後ろを向いた。
「啓明、こいつどこで手に入れたんだ?」
「罠を仕掛けたらゴキブリみたいに引っかかってくれまして」
な、ゴキブリだと!?
沢口啓明!!!
もう少し例えを考えろ!!
これでも私、女なんだけど!!
「ゴキブリって!もうちょい考えてやろうぜ、啓明!!ハハハッ!」
変態男はおかしそうに笑い、また私を見下ろす。
「罠ねぇ…。まぁ、啓明の罠を避けられる奴って俺くらいしかいないから仕方ない。そう落ち込むなって!」
別に落ち込んでなんかいないわ。
コイツもコイツでイラつく。