【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー


しばらく考え、奈緒に目を向けた。



「……分かった」



蓮央の腕から抜け出し、奈緒に一歩近付く。


私より少し背の高い奈緒の胸ぐらを掴んで、引き寄せる。



「あなたが私にしたこと…許すつもりはない」


「はい」


「あんなところでも、私にとっては唯一の居場所だった」


「はい」



奈緒は怯むことなく、私の目を見ている。



「一生許さないって、誓った」



ゆっくりと瞬きをし、奈緒がわずかに唇を噛む。


襟元を掴む手に力を込め、もう片方の手で拳を作った。



「あんたなんて…大嫌い」



言い終えると同時に、その拳を奈緒に向かって突き出した、そのとき。


奈緒が目を閉じて少し笑ったのを、私は見た。



< 36 / 447 >

この作品をシェア

pagetop