【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
しばらく考え、奈緒に目を向けた。
「……分かった」
蓮央の腕から抜け出し、奈緒に一歩近付く。
私より少し背の高い奈緒の胸ぐらを掴んで、引き寄せる。
「あなたが私にしたこと…許すつもりはない」
「はい」
「あんなところでも、私にとっては唯一の居場所だった」
「はい」
奈緒は怯むことなく、私の目を見ている。
「一生許さないって、誓った」
ゆっくりと瞬きをし、奈緒がわずかに唇を噛む。
襟元を掴む手に力を込め、もう片方の手で拳を作った。
「あんたなんて…大嫌い」
言い終えると同時に、その拳を奈緒に向かって突き出した、そのとき。
奈緒が目を閉じて少し笑ったのを、私は見た。