【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー


数分もしないうちに全てのヤクザを叩きのめし、残るは沢口啓明と変態男だけ。



「俺らに喧嘩売るなんて、失敗したな」


「お兄さんたちも殺ってあげる〜♪」



圭太と真浩がポキポキと指を鳴らしている。


……けれど、沢口啓明と変態男は余裕そうに笑っているだけ。


何がおかしいの?



「ククッ……馬鹿は、お前らだろ?」



耐えられないというように、変態男が目を上げて私たちを見た。



「ここがどこか忘れてんじゃねぇの?」


「あ゙あ゙?忘れてねぇよ。ここは若沢組の本部だ」



苛立ったように答える蓮央。


でも…なにか引っかかる。


何かを見逃しているような気がする……。



「飛んで火に入る夏の虫とは、まさにこのことだな!!」



終いには、おかしそうに大声で笑い出している。


でも、私たちには意味がわからない。


コイツが何を言っているのか、誰一人として分からない。



「…クク、分かんねぇか。じゃあヒントをやろう。ここに若木諒真がいねぇってことは、おおかたお前らが隠れさせたんだろ?」



あ、そういえば、諒真さんがいない。


蓮央たちが隠れさせたからだったんだ。


< 362 / 447 >

この作品をシェア

pagetop