【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
数分もしないうちに全てのヤクザを叩きのめし、残るは沢口啓明と変態男だけ。
「俺らに喧嘩売るなんて、失敗したな」
「お兄さんたちも殺ってあげる〜♪」
圭太と真浩がポキポキと指を鳴らしている。
……けれど、沢口啓明と変態男は余裕そうに笑っているだけ。
何がおかしいの?
「ククッ……馬鹿は、お前らだろ?」
耐えられないというように、変態男が目を上げて私たちを見た。
「ここがどこか忘れてんじゃねぇの?」
「あ゙あ゙?忘れてねぇよ。ここは若沢組の本部だ」
苛立ったように答える蓮央。
でも…なにか引っかかる。
何かを見逃しているような気がする……。
「飛んで火に入る夏の虫とは、まさにこのことだな!!」
終いには、おかしそうに大声で笑い出している。
でも、私たちには意味がわからない。
コイツが何を言っているのか、誰一人として分からない。
「…クク、分かんねぇか。じゃあヒントをやろう。ここに若木諒真がいねぇってことは、おおかたお前らが隠れさせたんだろ?」
あ、そういえば、諒真さんがいない。
蓮央たちが隠れさせたからだったんだ。