【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「いった……」
それよりも、この男、手加減無しで殴るなんて。
内蔵がすごく痛いんだけど。
お腹を押さえながら、曲げていた体を起こして体勢を整えた。
「やっとやる気になったか」
笑いを含んだ変態男の言葉を無視し、着ているドレスに手を掛ける。
膝の上あたりでそれを握り……思い切り、引っ張った。
──ビリビリッ!!
無残に裂けていく、上質な布。
「さ、咲誇…?」
蓮央たちも目を丸くしている。
それに構わず裂ききり、足が軽くなったところで部屋を見渡す。
えーと…アレはあるかな……?
……あ、あった!!
目的のものを見つけて、そこに駆け寄る。
穴に指を差し込んで力を加えるあの刃物。
……そう、ハサミだ。
そのハサミを手に取って、くるくるに巻かれた髪の右側を掴む。
「おい、咲誇……お前まさか!?」
圭太の焦った声を無視し、ハサミの刃で髪を挟んだ。
──ジャキンッッ!!
切れる手ごたえと、軽くなる頭。
あたしの自慢の長い髪を……顎のあたりでバッサリ切ってしまった。
左側も同じように切り、床に落とす。
かなり不揃いだけど、まぁいっか。
あー、軽くなった。
これで動ける。
「…じゃあ、本気でやらせてもらうね?」
唖然としていた変態男は私の言葉にハッとし、不敵に笑った。
「かかってこい」