【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
そう思っている間にも、狭まってくる視界。
こめかみを押さえていた手のひらを見ると、赤い血がベッタリとついていた。
頬を伝って、床に落ちる血。
頭が朦朧としてくる。
「このままだと、お前の負けだな」
勝利を確信しきった顔。
私、負ける……の?
嫌だ、負けたくない。
頭では、そう思っているのに…
動か、ない。
手も足も、指一本動かせない。
「『諒真さんを救う』とか言っておきながら、案外簡単に殺られるんだな」
……コイツの言う通り、だ。
甘く見てた。
ヤクザの世界を。
ここは、私たちがいた暴走族の世界とは違うんだ。
拳で正々堂々戦う、だなんて考えてない。
勝つことが全て。
だから、平気で人も殺す……
「俺との約束を覚えてるか?睡嵐姫」
動けない私の前にかがみ込み、変態男が言う。
「俺が勝ったら、言うことを聞いてもらう約束だ」
約束?
ハッ……笑える。
卑怯な手を使っておきながら、約束を守れって?
自己中にも程がある。
こんな男に屈したりは、しない。