【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「誰が…アンタの言うことなんか聞くか」
「あ?」
眉をひそめて聞き返してくる変態男。
…聞こえなかったなら、もう一度言ってあげるよ。
「アンタの言うことなんか、聞かない。
絶対に屈しない」
「……例え死んででも、俺を倒すってか」
「…そういうこと」
フッと笑い、全身の力を足に送る。
ふらつきながら、手を壁につきながら、何とか立ち上がる。
目に入りそうなくらい流れてくる血を拭いながら、目の前にいる男を真っ直ぐに見た。
「アンタとの約束……守れそうにないね。
だって、あたしは負けないから」
「ハハッ…上等だ。さすが睡嵐姫」
目を閉じて、意識を集中する。
蓮央たちのことが心配だけど、今はそれを考えないようにしよう。
必ず勝つ。
どんな卑怯な手を使われても、あたしは拳で勝つ。
くだらないって言われるかもしれないけど、それがあたしのプライドであり、睡嵐のみんなのプライドなんだ。
──だから。
「……素手でぶっ潰してあげる」
グッと拳を握る手に力を込め、地面を蹴った。