【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
そう言って笑いかけると、奈緒の瞳から一筋の涙が流れた。
「何で…?何で、恨まないの……?」
「恨むべきは、奈緒じゃない。そうせざるを得なくした、奈緒の家族だから」
奈緒を、そっと抱きしめる。
「ごめんね……私、何も知らないのに、奈緒を恨んでばっかりだった」
「違う……咲誇さんは、悪くない。あたしが悪いんです…。恨まれて、当然です!!」
「そんなこと言わないで...。今まで、辛くて、苦しくて、助けてほしかったんだよね…?」
わずかに頷く奈緒。
きっと奈緒は、前の私と同じなんだ。
闇の中で、一人でもがいて。
心の底では、助けを求めていたんだよね。
「お疲れ様……奈緒」
「っ……」
私が、あの日あの時かけられた、この言葉。
蓮央がくれた、最初の言葉。
彼にされたように、私もあなたの凍った心を溶かしたい。