【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
「咲誇…!!」
「動くな。殺すぞ」
慌てて立ち上がって駆け寄ろうとした蓮央に、銃が向けられる。
動けば殺されるという状況で、誰一人動くことが出来ない。
「……人を苦しめるのに一番最適な方法を知っているか?諒真」
弾が切れたのか、組長は別の銃を取り出して構え直しながら言う。
「実は、拷問や死ではない。それはあくまで自分が苦しむもの。根性がある奴には全く効かない方法だ。お前らにはその『根性』がある」
ピンと張った空気の中、話すのは組長1人だけ。
皆…顔を歪ませながら佇んでいる。
「そこでだ、諒真。お前たちの大切な物を奪おうと考えた。失ったら二度と立ち直れないくらい、大切な物をな。
……そして、今、見つけた。」
「……」
「その女を…この場で始末する」
私の頭に銃口を向けながら楽しげに笑う、組長。
……狂ってる。
この男は人間じゃない。
ヤクザという職は、人をおかしくさせるものなのだろうか。
特にコイツは、人を苦しめることに快感を覚え、その姿を見たいと思っている最低野郎。
今までどれだけの人を苦しませてきたのだろう。
自分が楽しむために、どれだけの人を犠牲にした?
自分の気分で銃を撃って、苦しむ姿を笑って見て。
……ふざけるな。