【続】Am I What Colors?ー現姫の戦いー
キュッと、奈緒が私の服を掴む。
「咲誇さ…..」
「奈緒は、諒真さんのこと好き?」
「…...え?」
唐突に聞かれて戸惑ったのか、少し間があいた。
「…好き、かも?」
「奈緒!?何だその微妙な返事は!!」
ぷんすか怒っている諒真さんを見て、奈緒はクスリと笑った。
「諒真さんは……あたしにとって、ヒーローです。闇の底から救い出してくれたから」
私にしか聞こえない声で言う奈緒。
ヒーロー、か…。
あの諒真さんがねぇ。
女好きで酒癖の悪いヒーローさんなんて、この世に一人しかいないだろう。